作業小屋建築記(1) 構想~基礎工事まで
1.構想~設計
みなさんは、書斎と作業場、どちらが欲しいですか?
私は断然、作業場です。
自宅の空きスペースに、DIYで作業小屋を建築したときの記録を、これから順を追って記していきたいと思います。なお、記事を書いているのは2021年1月で、作業小屋が一応の完成をみたのは2013年5月なので、約8年前の作業の記録です。
今の所に越してから、作業場(作業小屋)の製作はずっと課題でした。まずは設計から。
うちの敷地は角地で、家の北側のエリア、ちょうど道路の隅切りに接している場所が候補地でした。
敷地の関係から、長方形ではなく道路隅切りの形状にあわせた形になります。
長手方向は5.9m、幅は一番広いところで2.3m、床面積は8.3㎡です。10㎡以上なら増築の建築確認申請が必要ですが、今回は不要です。
構造のタイプは2×4工法としますが、枠材だけあらかじめ作っておいて組み上げ、あとから面材(OSB合板)を打ちつける手順とします。
長方形の形状ではないため、設計が複雑で、図面ができた後も本当にできるか不安だったので、縮小模型も作って確認しました。
2.給排水管・電気配線
基礎工事にかかる前に、あらかじめ給排水と電気配線を埋設しておきます。
給水管は本宅の方の給水管を掘り出して、作業小屋内のシンク設置予定箇所まで分岐します。HIVPφ13を使用しました。
排水管(VUφ50)は近くの汚水系統の桝に接続しておきます。
電気は地中配線で、塩ビ管の中にケーブル(VVF2.0-3C)を通しておきます。電気は、当面は屋外コンセントにつなぎますが、最終的には本宅の分電盤から、独立の単相3線回路(100/200V)で供給します。
3.遣り方〜基礎
図面に基づき、現地におおよそのマーキングをしてから、各コーナーに基準となる遣(や)り方を設置します。
遣り方は、各コーナーに杭を3本打ち、レーザーレベルや水盛り管などを使って水平の基準線を印し、それに合わせて横木を打ち付けます。
横木の上面には、基礎の外寸のラインに合わせて釘を打ち、水糸を張ります。これが、基礎の法線と高さの基準になります。
水糸を目安に、おおよその深さと方向で掘削します。地盤が弱そうな箇所(大ハンマーで突くとプヨプヨして締まりきらない感じ)は、さらに掘り下げて土とセメントを混ぜ、再び埋め戻して突き固めるとしっかりします。
ベースの下は、砕石や庭から出てきた石や頂きものの瓦の粉砕屑を敷き、大ハンマーでよく突き固めておきます。
その上に、幅100mmのコンパネをセパレータで200mm間隔に固定したユニットを作成し、ベースの型枠とします。
型枠の設置位置は、さきほど張った水糸を基準とし、高さは水糸からの下がりで管理します。
コンクリートは手練りなので、1日で練れる量くらいの区間で型枠を設置し、硬化後にバラして次の区間に再設置します。この繰り返しで進んでいきます。
ベースの中には補強のための鉄筋(D10)を2列配置し、セパレータと結束します。
下の写真は、基礎の中で最も鋭角になる箇所です。鉄筋は角度に合わせて曲げ、つぎ足す場合は重ねしろを30cm程度とります。
コンクリートが固まる前に、400mmピッチで、上にのせるCBブロックと一体化させるための差筋(鉄筋)を突き刺してしておきます。差筋の位置が、CBブロックどうしの合わさり目の位置になります。
コンクリート硬化後、CBブロック(幅150)を設置します。
ベースの上にモルタルを1~2cm敷き、CBブロックを乗せ、基準の水糸を見ながら、法線にずれがないか、高さは水平かを注意しながら、ブロックの合わさり目にモルタルを詰めて固定します。
ブロックの空洞部分には、土台の角材を締結するためのアンカーボルトを要所に設置し、残りの箇所はモルタルで間詰めします。
アンカーボルトは垂直に注意し、ネジ部分にはモルタルが付かないよう、養生テープを巻いておきます。
アンカーボルトの飛び出し長さは、基礎パッキン(20mm)と土台の角材(105mm角)を合計した長さより少し短めにします。
基礎が完成しました。このような逆T型の基礎を「布基礎」といい、本来はCBブロックなどは使わず、型枠を組んでコンクリート+鉄筋で完全に一体化させるのが理想ですが、DIYでは難しいので、このような仕様としました。
基礎の作業は重労働が多く、全体工程の中では最もシンどくてつまらない作業ですが、後からの補修が絶対に出来ない部分なので、手を抜けない工程です。