作業小屋建築記(3) 屋根~窓まで

9.屋根

 屋根と外壁は、実際には同時並行的に作業しました。まず屋根の工程から説明します。
 屋根トラス同士のつなぎと補強のための部材(2×4材)を千鳥で配置します。(図面の赤い部材)

屋根部材のつなぎ
屋根トラスのつなぎ部材


 軒先と「けらば」には、鼻隠しと呼ばれる部材を野地板で打ち付けたあと、トタン板で作った水切り金物を釘打ちしておきます。

軒先詳細
けらばと軒先の詳細図

 次に下地合板(t12mm)をコーススレッドで打ち付けます。屋根の北半分はいびつな形状なので、現物合わせで加工します。
 そのあと、アスファルトルーフィングという、繊維にアスファルトを含侵させたシート(写真の緑色のもの)を広げ、タッカーで打ち付けます。これが防水の下地材になります。
 アスファルトルーフィングは1m幅×21mくらいのロール状で売られていて、重さは23kgあります。
 軒先から棟に向かって施工していきます。重ねしろは100mmとります。

 次にアスファルトシングルという、これも繊維にアスファルトを含侵させたシートを重ねていきます。横915mm×縦305mmで、表面は滑り止めの粒子がまぶしてあります。色は黒、緑、赤がありますが、黒を採用しました。
 軒先から棟に向かって貼り進めますが、上の列は下の列に約半分重ねます。

下地合板→水切金物→アスファルトルーフィング→アスファルトシングル、の重なり
屋根完成間近
シングルは軒先から棟に向かって貼り進めます


アスファルトシングルは、裏面の裾部分にだけ接着剤を塗り、真ん中の4か所は専用の釘で打ち付けます。釘は次の列の下に隠れるので、完成後に見えることはありません。

シングルセメントは裏側の裾部分にだけ塗る


 屋根の頂点にあたる棟の列は、両端から貼り進めます。最後の1枚は接着剤のみで貼り付け、重しで固定し、乾いたら屋根の完成です。
 これで、雨に降られても小屋の中での作業は進められます。

屋根完成
屋根の完成

10.外壁

 外壁の下地合板は、価格が安いという理由でOSB合板を使いました。ランダムな木片シートを重ねて圧縮接着している材料で、普通合板のような表面の滑らかさはありませんが、接着剤の割合が多いのか、重くて硬いです。外観は独特な模様です。
 接合は2×4工法用のCN釘(長さ50mm)を使いました。エアーネイラーがあれば早いのですが、手打ちなので非常に手間がかかりました。OSB合板は硬いので、失敗するとすぐに釘が曲がります。

壁詳細
壁の断面図
壁下地
壁下地合板をクギ打ち

 下地合板の次は、透湿防水シートをタッカーで打ち付けます。これは、外部からの雨水の侵入を防ぐとともに、壁や室内の湿気を外へ逃がすためのものです。

透湿防水シート
透湿防水シート


 透湿防水シートのあとは、胴縁という細い角材を縦向きに打ち付けます。胴縁の寸法は16×40×2000mmです。設置する間隔は、このあとのに打ち付ける野地板の長さと割り付けを考慮して決めます。この胴縁により、一番外側の野地板と壁下地の間に空間ができるので、上から下へ空気が抜けるようになり、外壁材をドライに保つ効果が生まれます。

胴縁
胴縁の設置


 最後に、一番外側にくる野地板(t12×W180×L2000)をステンレススクリュー釘で打ち付けます。野地板は荒材なので、表面だけプレーナーをかけておきます。表側にする面は、「木裏を表側にする」の原則に則ります。すなわち、材の断面を見て、木の年輪の中心寄りの側を表側にします。張り方は南京張りと呼ばれる方法です。治具を使って、重なり代が一定間隔になるようにしました。

野地板
野地板の打ち付け

11.窓

 窓も2×4材を利用して自作します。
 ガラスは使わずに、中空ポリカーボネート板を使いました。段ボールのような断面になっていて、軽くて加工しやすく、少々物をぶつけても割れることがありません。中空なので断熱性もあります。
 枠を作ったあと、中空ポリカ板がはまる部分はトリマースタンドで溝加工し、組み上げます。
 枠は白塗装し、枠と中空ポリカ板との境目はコーキング処理して、雨水の侵入を防止します。

窓1
窓の製作中
窓2
緑色のテープはコーキング処理をするためのマスキングテープです。

 窓は上下2連とし、上の窓は固定で、下の窓は上下にスライドするようにします。

窓3
上窓(固定)の取付完了

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です