ちょっと本格的なマリンランプの製作

完成写真

1.概要

 作業小屋の横の通路に照明がなく、夜は足元がとても危ういので、照明を付けたいと考えていました。


 市販のものをそのまま付けるのも味気ないし、どうせ付けるならオシャレなものをということで、マリンランプ自作してみることにしました。


 ネットの製作記事の中には、100均の材料で作るのもありますが、もう少し本格的な仕上がりに作りたいと思います。

 基本のコンセプトは、
  ・LEDのフィラメントランプでレトロ感を出す。
  ・ホヤはガラス瓶を使う。
  ・ガードは丸鋼を溶接して作る。

 材料は以下のとおりです。(2個分)

LED電球2本(エジソンランプ風。40W相当。消費電力4W)
ガラスビン2個(100円ショップでいいのがなかったので、ホームセンターで1つ400円くらい)
ボウル(φ180mm)2個(カサ用。ステンレス製φ180。100円ショップ)
丸鋼φ6mm4.5mくらい(ガード用)
丸鋼φ9mm0.4mくらい(アーム用)
平鋼W20と25mm少々(取付ベース他)
1×8材少々(ベース板。t=19mm。φ130が2枚取れるくらい)
ランプレセプタクル2個(E26用)
高ナット、六角ボルト、ワッシャ―、ナット2個づつ(各M8)
ビス少々
スプレー缶1本(ゴールド色)
マリンランプ(2基分)の材料

 

 マリンランプは、作業小屋の外壁面に取り付けます。


 電源~スイッチ~器具取付予定箇所までの配線は先に済ませておきました。


 配線はVVF1.6-2Cで、VE16をサヤ管に使います。スイッチは防水型のものです。

配線1
電源は小屋内から引き出し、スイッチを介してランプ設置位置まで伸ばす
配線2
ランプ設置位置(西側)
配線3
ランプ設置位置(東側)

2.LEDランプ

 アマゾンで6個セット\2,400くらい。中国製。フィラメントを模した形でLED素子が配置されています。


 試験点灯してみる。LED素子は4つですが、ガラスに反射して8個くらいに見えます。なかなかいい雰囲気ですが、<PS>Eマークが見当たらない・・・

ランプ
LEDフィラメントランプ
試験点灯
試験点灯

3.ベース板

 全体の図面は下のとおりです。(PDFはこちら)

マリンランプ図面
マリンランプの図面

 ベース板は、厚み19mmの1×8材の端材があったので利用しました。コンパスで円を描き、バンドソーで切り抜いてベルトサンダーで切断面を滑らかにします。パイン集成材でもいいと思います。


 下になる面は後から塗装しにくいので、先にゴールドで塗装しておきます。


 ビンの蓋をベース板に両面テープで仮固定したあと、ビス6本で固定します。


 さらにビンの蓋の内側にランプレセプタクルをビス固定。配線の出入りのための貫通穴(φ8mm)は、あらかじめあけておきます。

ベース板
ベース板にビンの蓋とランプレセプタクルを取付

4.ランプガード

 マリンランプを特徴づけるランプガードは、丸鋼で作ります。


 U字型のパーツ(2本/1基)は、φ6丸鋼をおおまかに切っておき、曲げ板を使って曲げます。原寸大の図面を横に置いておき、少しづつ合わせながら曲げていきます。歪みが出たときは、バイスでくわえて手曲げで修正します。

ガード1
ガードの縦部材

 円のパーツ(2本/1基)はさらに難しいです。途中で休むと次にできる気がしなくなるので、一気にやってしまいます。

 円が1周したら溶接でつないで、そのあとまた微調整を繰り返し、できるだけ真円に近づけます。

ガード2
ガードの横部材

 U字型のパーツ2本のうち1本は、頂点部分を段差なしで溶接したいので、丸鋼が交差する6mm幅分を切断して2本に分割しておきます。
 円のパーツとの接点は、原寸大図面を元にマーキングしておきます。


 壁面との取付ベースは、幅25×長さ100mmの平鋼を2つ溶接でつないで幅広にします。ビス穴はあらかじめ開けておきます。


 取付ベース~本体のつなぎのアームは、φ9mmの丸鋼を曲げ加工します。


 写真の「キ」の字のものは、ベース板との取付用です。あとでアームと溶接します。

ガード3
鉄部材のできあがり

 ガードの部材を溶接して組み立てていきます。


 点づけで仮固定したあと、歪みや直角の修正をしてから、本溶接を行います。

溶接1
ガードの溶接完了

 溶接棒について、普段はライムチタニア系を使っていますが、今回は高酸化チタン系を使ってみました。高酸化チタン系は、溶け込みはライムチタニア系に劣るけど、ビードの外観がいいとされています。


 縦部材と横部材の交点は、はマーキングを目印に、直角に気をつけて行います。

 ベース板との取付金具は、平鋼の切れ端を溶接します。ビス穴はあらかじめあけておきます。

溶接3
木のベース板との取付のため、平鋼の切れ端を溶接

5.アーム

 アームはφ9丸鋼を曲げて製作。ベース板との取付金具、および壁面との取付ベースは、平鋼(25mm)を2枚合わせで溶接し、幅を広く取ります。


 ベース板との取付金具の中心には、ボウルのカサをボルト止めするための高ナットを溶接します。


 ネジ穴にスパッタが入り込まないよう、マスキングしておきます。

溶接2
アームの溶接完了

6.カサ

 100均のステンレス製ボウル(φ180mm)の中心にφ8mmの穴を開けます。


 このような大き目の穴を薄板に開ける場合は、何段階かに分けて拡大していった方が、芯のずれが少なく、きれいに仕上がります。刃はステンレスに対応したコバルトハイス鋼のものを使用します。今回は4→6→8mmの順にあけ、最後にカウンターシンクでバリ取りをしました。

 取付はM8×30mmの六角ボルトを使います。防水のためのゴムワッシャーは、3mm厚のゴム板から自作しました。


 そのままではカサの端がアームと干渉したため、調整のために、合板で作ったスペーサをはさんでいます。

カサ
カサの内側

7.塗装

 溶接した金物関係は、サンダーやリューターで、スパッタや気になる箇所を擦ったあと、アセトンで脱脂してスプレー塗装です。


 真鍮色に近くなるよう、ゴールド色を使います。

塗装
各パーツをゴールドで塗装

 カサはステンレス製で、そのままでは付着が弱いので、プラーマーを先に吹いてから塗装します。
 ミッチャクロンは高いので、モノタロウ製の万能密着プライマーを使いました。


 塗装は2回塗りを基本とします。

8.組み立て

 ベース板にアームをビスで取り付けます。


 ランプレセプラクルからの配線はベース板の貫通穴を通して上部に出しておきます。

組み立て1

 

壁に取り付ける前に、仮組みをしてチェックしておきます。

仮組み
仮組み


 壁面配線との接続は、カサの下に隠れるこの部分で行います。


 線同士の接続は差込コネクタを使いました。


 配線材は、VVF1.6×2Cの外装を剥がして取り出したIV1.6mmを使います。


 壁面取付ベースを壁面に取り付けたあと、電球→ガラスビン→ガードの順に組立て、上部で結線したあと、カサをかぶせて完成です。

組み立て2


 カサ取付ボルトには防水のためのゴムワッシャーを入れていますが、完璧を期すため、ボルトの頭の周辺にコーキング材を薄く塗っておきます。


 電球を交換する際は、カサ→カード→ガラスビンの順に取り外します。

組み立て3
取り付け完了

9.まとめ

 市販のマリンランプは、カードとガラス(グローブ)の頂部がともに半球状になっていますが、底が半球状になったガラス瓶は見つけられそうにないので、底が平らな普通のガラス瓶を使いました。デザイン的には見劣りしますが、やむをえずです。


 ランプは、それほど明るさが必要な場所でなかったので、40W型のLEDにしました。通路照明としては十分です。


 かかった経費は、家にあったストックや端材を使った分もあるので正確には分かりませんが、だいたい1基当たり2000円弱と思います。(壁面配線は別)

点灯1

点灯2

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